GREAT NORTHERN STORY
2018年が幕を開け、心機一転新しいスタートの1月ですね。皆様、はじめまして。私は札幌に住む菊池志保と申します。北国発信の話題を、こちらのコラムに寄せることになりました。どうぞ宜しくお願い致します。
今、北海道で大きな注目を集めているものと言えば、日本ワインです。昨秋「地域の食と環境」を知りたいと思い、後志(しりべし)地方にあるワインブドウ農園へ行ってきました。札幌から1時間半ほどのドライブで余市町に到着。旅の目的は、果樹栽培が盛んな地域で、ワインや食の魅力を楽しみたいということ。「余市のぼりんファーム」では、生産者の木原さんご夫妻が、笑顔とともにお出迎え下さいました。早速、ご案内を受けながら、ブドウ畑を上へ上へと登ってゆくほどに木原さんの口調も熱を帯び、情熱がビンビン伝わってきます。広大な景色を見慣れている私達でさえも心洗われるような美しい景色。余市湾やシリパ岬を望むこのブドウ畑に、すっかり魅了されてしまいました。ニッカウヰスキーから譲り受けた原野を、現在の農地にするまでのご苦労は十分推し量られます。そして何より感銘を受けたこと・・それは、仕事や環境について、次世代へつながっていくことを見据えたビジョンをお持ちになっている、木原さんの生き方です。日々の営みの積み重ねがいかに大切か。雨上がりにはミミズをみつけて畑に放し、畑の状態を知るには気配や音にも耳をそばだてる。山の肥料に、海の生き物ウニ殻のミネラルを活用する。土づくりの知恵など、たくさん気づくことがありました。最近は、ブドウ栽培に適した北海道の気候と高い栽培技術に、フランスの醸造家からの評価も高まる一方です。この風土を背景に、個性あふれるブドウが育ち、それぞれ生産者の思いのこもったワインが造られます。北海道を訪れたならワイナリーへ。「おいしい大人の旅」を体験されてはいかがですか。