Search of the futureドキュメンタリー未来検索

 一人称の感性 しゃべらない、鉄の塊が語ると言う手法で「未来検索」初期の作品、「崩れたオブジェはかく語りき」と言う番組を制作しました。この番組はビデオジャーナリストと言う、方向性と感性を一番世に問うた作品でもあります。この私の手法が、くしくもNHK研究所での講演を故・真咲なおこが依頼された時にNHKの方がつけたタイトル「一人称での番組発信」につながります。

 

要するに放送ではタブーとされている、個人的な見解と感性では番組が放送できないと言う壁を打ち破ったものであり、一人称での番組発信は、まさにプロデューサー山本 進と真咲なおこ、そのものの感性が、番組と言うメディアとして不特定多数の人々に送られることを認めていただいたと言うことになるのです。

 

中立公平と言う、放送の概念はある部分では正しく、ある部分では間違っているのかもしれません。アナウンサーは正確に事実を伝えるトーキングマシンかもしれませんが、本来、キャスター・パーソナリティーは、本音を伝えることが出来るはずなのに、我が国の放送業界ではタブーとされてきたわけです。色々な問題があるとしてもアメリカのジャーナルは、キャスター・アンカーマンが意見を言える場になっています。それが自由な国のジャーナルを示していると言うことでもあります。

 

ジャーナルの信憑性と言うものが守られていることは、我が国には無いことであり、これがまさに「感性」で一人称で真実を伝えると言うジャーナリズムの王道を守っていることになるのです。幸運にも、自分の意見を言う番組を様々な方のご尽力、ご協力により約30年間続けてこられた事に感謝と誇りと自分の感性を曝け出し続けられたことに大きな喜びを感じているのです。

 

そして、今、山本 進と詩麻絢子が企画、取材、カメラからインタビュー、レポート、編集、構成、そしてTV放送、WEB配信と行う事が継続されている事に感謝すると同時に、真実・事実を伝えること、価値を見出すこと、違いを理解することを若い世代と共に、育んでいきたいと思うのです。

 

                                                                      Search of the future  制作総括 山本 進